物流自動化の切り札!マテハン導入~企画提案と進め方

物流業務の効率アップに向けて、自動化設備・マテハン機器の導入をお考えですか? 投資が発生するマテハン機器導入の、スムーズな進め方について考えていきましょう。

目的を明確に

すでに物流業務があって効率を上げる方法を考えている、そんな問題解決型のマテハン機器導入には、まずは目的を明確にすることが重要です。たとえば、利益率を向上させる、顧客満足度を向上させる、というような目的を決定します。

ここで気を付けたいのは、「マテハン機器を導入する」ことを目的としないことです。せっかくの投資を、ただ設備導入で終わらせることのないように、目的を明確にしておきましょう。

現状把握はしっかりと

目的が明確になったら、次は目標値の仮決定です。たとえば、物流コスト○%削減、誤出荷○%削減、時間当たりの作業効率〇%UP、などと設定します。こうして仮置きした目標値の妥当性の検証と、取るべき方策の確認のために必要になるのが現状把握です。

現状把握は、目的に合わせて時間・コスト・品質軸のいずれか、もしくは複数で行います。投資額は有限なので、方針として一番重要視するべきところ、もしくは一番費用対効果が大きいところに注力するべきでしょう。費用対効果を確認するには、製造業でおなじみのQC手法などが役に立ちます。

具体的な例のひとつがパレート図。物流費についての現状把握には便利です。工程ごとにかかる費用を洗い出し、全体を100%としてパレート図に表します。こうすると、80:20の法則、つまり8割の費用の原因がたった2割の工程にある、というような状況になることも多いでしょう。

目標値の設定は費用対効果で

承認者が企画提案の採否を判断する決め手は、何といっても費用対効果でしょう。パレート図などを活用した現状把握が済んでいれば、その投資がどのぐらいの効果を生み出すのか視覚的にも明確になります。費用対効果が明確であれば、提案する方も承認する方も安心してプロジェクトを進めていけますね。

費用を算出するには、マテハン機器の投資額やランニングコストを合算しましょう。効果は、なるべく数字で、しかも金額で表すとわかりやすくなります。

具体的には、

  • マテハン機器の導入で作業員を○人削減できる

月間効果額=○人×月間標準労務費

  • マテハン機器の導入で作業工数が1日あたり〇時間削減できる

月間効果額=○時間×月間標準稼働日数×月間標準労務費/月間標準労働時間

  • 月の誤出荷件数が〇件削減できる

月間効果額=○件×標準リカバリーコスト

  • 業務効率アップし月間取扱数量を〇件増やせる

月間効果額=月間物流費×○件/月間標準取扱数量

といった形で、「経費の削減」「利益の増加」といった金額に置き換えることで、投資回収期間を算出します。「○年で元が取れて、以降はプラス」という明確な指標が承認者の判断を容易にします。

【インタビュー】単純な1台当たりの作業効率だけでなく、作業が止まるということもなくなりました

副次効果も把握しよう

設備導入によるコストダウンなどの直接的な効果に加えて、副次的な効果もしっかり把握しましょう。たとえば、機器導入で重量物運搬が自動化できれば体格や体力などによる人員配置の制限をなくすことができます。

また、作業工数が短縮できれば、残業削減や短時間勤務のような働き方の多様化に対応することも可能でしょう。高所作業や開梱などの業務で発生することが多い災害の防止も、自動化の大きな魅力のひとつです。

このような安全や環境、将来性やイメージアップなどの副次効果は、進めていくうえで判断の後押しになることもあります。導入後の業務を具体的にイメージし、いろいろな視点で変化をとらえてみましょう。


今回は自動化設備・マテハン機器導入の進め方について考えてみました。まずは目的、目標、現状把握、費用対効果、副次効果を検討しましょう。概要がつかめたら次はスケジュールを組んでいよいよ企画提案です。スケジュールには現状把握、導入、効果確認までを含めておくと安心です。物流自動化の強い味方、マテハン導入を入念な準備でスムーズに進めていきましょう。

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