自動化が求められる背景とは。産業ロボットは省人化の一翼を担うのか

産業ロボットのニーズが拡大する背景には、人手不足から自動化や省人化が求められていることがあります。現在はまだロボットの導入は緩やかに広がっているばかりですが、今後ますます拡大していくことは間違いないとも言われています。

今後ますます労働者が減少すると予想されているなか、産業ロボットがもたらす効果とは、また導入に際しての障壁とは何でしょうか。

産業ロボットの需要の背景は何か。求められるニーズとは

ロボットの導入が求められている業界では、人手不足が深刻化しています。日本や海外の工場で産業ロボットのニーズが高まる背景には、自動化や省人化への期待があるのです。ロボットで処理ができる範囲が広がれば、人手不足でも従来と変わらない生産力を確保できるでしょう。

また、AIやIoTを活用することで、蓄積した作業データに基づき学習したロボットは、高い作業精度を発揮します。さらには、遠隔操作装置が内蔵されたロボットは感触や音からも学習する機能があるので、人間の作業を記憶させることが可能です。繰り返し作業することで作業データが蓄積され、異なる作業をしてもデータを活かして正確な作業を行うことができます。

こうした機能によって人間の作業者を十分代替できる産業ロボットは、従来使われていた製造分野だけではなく、物流業のように活用される分野が拡大されています。また、大規模な工場で扱われていたロボットですが、小型で取り扱いやすいロボットが開発されたことによって、中小規模の工場でも導入され始めているようです。今後ますます活躍が期待されており、さまざまな業界で存在感を示すことが予想されます。

導入が進まないわけ、壁が立ちはだかる理由

冒頭でも述べたように、さまざまなメリットがありながらもロボットの導入はなかなか進んでいません。その背景には、プロフェッショナルな人材の確保が容易にはできないこと、他の作業との連携が取れていないと未完成品が多く発生してしまうといった、ロボット導入のデメリットがあるのです。

ロボットは緻密な作業を行うため、故障が発生すると作業が止まってしまう恐れがあります。ロボットの修理は専門知識を有した人でないと対処できないため、能力やスキルを持った新たな人材を確保する必要があります。 

また、デリケートな作業が必要な場合はロボットだけでは対処しきれないため、完全に自動化できるわけではありません。ロボットは正確な仕事をしますし、人件費も抑えられる可能性があります。経営者を悩ませる人件費を削減できれば、売上が減少しても利益を確保できるでしょう。しかし、AIによってロボット技術がますます進化すると失職する人間が増える可能性があり、格差社会を助長してしまうかもしれません。

日々AIの技術は発展しています。リスクを防ぐために開発者は尽力していますが、不安がなくなるわけではないのが現実です。

中国ではロボット市場が拡大。爆買いをもたらした要因とは

中国でロボット市場が拡大している背景には産業用としてだけではなく、家庭用としてもロボットの需要が伸びていることがあります。

中国では高齢化が急速に進み、介護問題が深刻化しています。介護するのは一人っ子政策時代の子どもが多く、介護と仕事や育児などの両立は困難なため、家庭用のロボットが求められているのです。また、中国は故郷を離れて都会で働く子どもが多いため、親子間のコミュニケーション不足が問題となっており、ロボットが解決の糸口になると期待されています。

産業用としては、労働力のコストが値上がりしていることや、省力化が進んでいることがロボット市場の拡大を助けています。産業ロボットの販売は世界全体で半数以上を占めており、搬送用ロボットが全体の6割、組み立てロボットが全体の1割強を占めています。

中国では人口全体の2割弱が60歳以上で、今後も少子高齢化が加速していくと見られています。この結果として、介護用途が増える家庭用、省力化に迫られる産業用の両面から需要は拡大し続けていくのです。中国のロボット市場はますます広がっていくでしょう。

まとめ

日本だけではなく、世界で産業ロボットのニーズが高まる背景には、少子高齢化といった先進国で課題となっている社会問題があります。ただし、産業ロボットの導入はメリットだけではなく、デメリットがあることも事実です。導入に際しての両面からの検討はもちろんのこと、自動化・省人化が進んだうえでの、人間のスキル向上や真摯に取り組むことも求められているのではないでしょうか。

 

参考:

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