農業効率化のIT活用、人手不足の解消術は物流業界で活用できるか

私たちが普段食している野菜は、農業に携わる方々のおかげで食卓に上がります。しかし、その農業界では既存農家の高齢化や後継者不足、新規で農業を始める場合は初期費用がかさんでしまうといった問題が挙げられています。今回は人手不足を解消するためにITが活用されるようなった農業界の現状と、同じく人手不足が取り沙汰されている物流業界でも活用できるのかについて考えていきます。

農業界で人手不足の理由とは?解消する方法

野菜を育ててそれらが消費者の手元に届くまでには、当然ながら多くの労力とノウハウが必要とされます。しかし、高齢化や後継者不足により、農業界の人手不足は深刻で、早急に対策を講じなくてはなりません。

人手不足の一因として挙げられるのが農業に関するイメージがあります。仕事の内容として、肉体労働や地道な作業といったイメージがあり、若者を集めるには好印象とはいえません。また、実際の所得は人によって上下しますが、わかりやすいモデルがあるわけでもなく、なんとなく低所得のイメージがあることも事実でしょう。

こうしたイメージを払拭し、若者の業界への参加を促すにはさまざまな変革が考えられます。例えば、基本的に農業は農作物を売ることで収入を得ます。しかし、自然環境の変化や市場価格の影響を受けやすく、収入の見通しを立てることが困難です。

若者を就農させるには、安定した収入の確保が重要になるでしょう。市場価格が安定するよう、農業界全体で気候の変動に強い作物の開発や計画的な生産に取り組むことが必要です。農業の素晴らしさや社会における重要な役割を伝えることで、後継者を育てていくことも重要な課題です。

人工知能やIoTといったITの活用は省人化になるか

農業は経験や知恵に基づいて行うため、一定のノウハウをマスターするためには多くの時間が必要になります。これも農業への新規参加が難しい要因のひとつです。そこで、人工知能やIoTを活用し、省力化、高品質生産を可能とする「スマート農業」が推し進められています。現場で用いられている方法や効果はどのようなものなのでしょうか。

まず挙げられるのが自動化です。農機の自動運転や人手を必要とする収穫作業の自動化は、24時間稼働や広大な敷地で行う大規模農業の実現につながり、省力化および大量生産を可能にします。

また、小売業での販売予測のように、自然条件やこれまでの収穫についてのビッグデータを活用することで、より生産性の向上が見込めるでしょう。さらに、人間が行う作業でも、収穫や運搬といった重労働をアシストスーツにより軽減させたり、農機のアシスト装置により農業の知識が浅い人にも精度の高い作業を実現させたり、農家の知識や技術をデータ化して新たな就農者に提供することなども可能です。

ITの活用はそうした生産現場の改革だけではなく、農作物の流通の面でも変革が期待できます。クラウドを用いたトラッキングシステムを構築すれば、消費者は生産情報をリアルタイムに確認することができるでしょう。消費者は安心して農作物を手に取ることができます。

AIやIoTを用いたスマート農業は、安心安全の農業を可能にし、新規参入者でも挑戦しやすいうえに、生産性を高めて効率的な農業を実現するものとして期待できるでしょう。

農業界を改革するITは物流業界でも活用できる?

農業界と同様、物流業界でも担い手不足は深刻化していて、省人化は今や取り組まなければならない命題です。では、農業を効率化するAIやIoTは物流業界でも活用できるのでしょうか。

例えば、ニュースでもよく聞く「ドローン」は、農業の現場でも活用され始めています。ドローンで見回りや農薬散布などを行えば、人件費が削減できるだけでなく、農薬の吸い込みといった危険も防止できます。撮影した画像をAIで分析することで、農作物の病気や害虫の発生を瞬時に検知し、AIが取るべき対策をアドバイスしてくれます。こういった機能は、仕分や検品といった物流工程でも活用できるでしょう。

さらに、物流業界では搬送にもドローンが使用できないか検討されているようです。
人口が減少傾向の街や離島への配送はコストがかかるものですが、人が暮らしている以上やめてしまうことはできません。こうした場所への配送にドローン活用できないかという期待が高まっているのです。豊かな暮らしを支える役割が期待されるドローンは、今後の社会を維持・発展させることにますます貢献していくことでしょう。

まとめ

人間の「食」を支える第1次産業である農業。その業界で人手不足が深刻化していることは大きな問題です。今後もますますの高齢化が進むことが確実とされている日本では、人工知能やIoTといった最新技術を用いることで省人化と品質の維持が期待されています。

同じく人手不足が叫ばれる物流業界でも、今後ますます省人化のために人工知能やIoTといった最新技術が活用されていくことでしょう。省人化や業務効率化は、業界の垣根を越えて取り組まねばならない時代を迎えているようです。

参考:

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