物流サービスは今後どう変わっていくのか

今、物流サービスは大きな変革の時を迎えています。国内需要の縮小や円安、燃料高騰の影響で、物流市場は縮小の傾向にあります。さらに、輸送量は増えないなかで価格競争だけは激化していき、多くの企業はこの状況を乗り越えるために知恵を絞っています。今回はそんな時代の物流を読み解くためのキーワードとして、3PL、包装、そして梱包資材について見ていきます。

物流倉庫のアウトソーシング

冒頭で述べたように現在の物流業界は過当競争状態にあります。そうしたなかで拡大しているのが3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)事業です。3PLとは、直訳すると「第三者による物流」となる、配送から倉庫管理、包装、梱包資材の選定まで、トータルで請け負うアウトソーシング(外注)サービスのことです。ほかの多くの分野と同様に、現在では物流業務をすべてアウトソーシングしてコスト削減を図りたいと要望する荷主も増えています。そういった時流に乗って拡大する3PLは、物流の将来を担うものと期待されています。

企業の扱う商品や業態によっては、季節ごとに売上が変化したり、一年のうちある時期だけ飛び抜けて売上が伸びたりすることがあります。その場合、自社倉庫があると売上が最大になる時期に合わせて、倉庫のスペースや人材を確保しなくてはなりません。しかし、これでは逆の売れ行きが落ち込む時期にも最盛期と同じ倉庫費用がかかることになり、大幅なコスト超過となってしまいます。

また、自社で複数の倉庫を管理している場合、商品や担当部署の違いから、倉庫ごとに管理のための人材が必要になります。こうした人材の確保は、直接的な人件費もさることながら、採用や教育も必要なため、間接的なコストもかかってきます。加えて、自社専用の物流システムの構築・維持にも、通常一定額の投資が必要となります。このためのコストは、かなりの金額に上ると見なければなりません。こうした経費や業務の無駄に対して、物流のアウトソーシングは大きな効果を発揮するのです。

包装から物流を変えていく

こうしたアウトソーシングが広がる背景には、物流をより効率化したいという各企業の思いがあることは間違いないでしょう。このなかで従来よりも注目度を高めているのが包装です。配送、保管、荷役、流通加工、包装を物流の5大機能と呼びますが、包装はそれほど重要視されてこなかった分野だといえます。しかし、適切な包装が行われていないと商品の破損が生じ、最悪のケースでは賠償問題に発展することもあり、実際には重要なプロセスです。こうした本来の機能に加えて、例えば違う寸法の外箱を使えば1パレットに搭載できる物量が変わる、といったように、包装の改善は物流全体の効率化にもつながることから、見直しが進んでいます。

通常、包装を検討する際は、その物品の輸送時にどれくらいの衝撃を受けるかを把握する必要があります。強い衝撃が予想される場合や、物品が衝撃に弱い場合には、十分な緩衝材が必要です。かといって、やみくもに緩衝材を詰め込むわけにはいきません。緩衝材も決して安価なものではないからです。物流における包装の課題とは、物品の素材と予想される衝撃や振動を考慮しつつ、必要最小限の緩衝材を使用するといったコスト面とのバランスであるといえるでしょう。

新たな梱包資材の開発

最後に取り上げたいのが梱包資材です。梱包資材は、物品を安全で確実に輸送するために必要不可欠なものです。ここにも業界のノウハウが蓄積されており、物品の破損でクレームが生じ、新たな梱包資材が開発されるという繰り返しで、今日の梱包資材ができあがったと言っても過言ではありません。精密機械やガラス製品など、壊れやすいものに採用される梱包は、緩衝材そのものの強度を高めたり量を増やしたりするほか、箱の設計を商品に最適化して固定するなど、さまざまな手法があります。

まさに梱包におけるポイントは、こうした個々の物品に合わせた最適なソリューションを提供することにあるといえるでしょう。冒頭で述べた国内での競争激化から、海外進出を模索する物流企業も増えています。しかし、価格競争で現地の包装メーカーに勝つのは並大抵ではありません。厳しい環境のなか、グローバルに勝ち残っていくためには、高い技術力を生かした資材の開発がますます重要になりそうです。

 

アウトソーシングや包装の最適化など、物流各社はさらなる効率化のために創意工夫をこらしたサービスを生み出しています。逆に、顧客にとっては自社に最適な物流サービスを選択する幅が広がっているという言い方もできそうですね。


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