首相やメダリストを虜にしたブラックサンダー!ヒットを支える生産体制

ザクザクとした食感のクッキーにチョコレートがコーティングされた、有楽製菓の「ブラックサンダー」は巷で人気の商品です。トップアスリートの内村航平選手をも魅了した商品で、一時はあまりの人気で生産が追いつかない状況でした。
ブラックサンダーがここまでヒットしたきっかけや、歴史を詳しく解説します。また生産が追いつかない状況だった過去から、大量生産できるようになった現在の生産体制をご紹介します。

ブラックサンダーとは?ここまでヒットした理由は?

求めやすい価格に「おいしさイナズマ級」といった特徴的なキャッチコピーのブラックサンダーは、チョコレートとクッキーのコンビネーションが絶妙のお菓子です。

発売当初は九州限定商品だったブラックサンダーがヒットしたきっかけの1つは、大学生協で販売開始したことでした。当時注目を浴びていた「生協の白石さん」という書籍(白石昌則、東京農工大学の学生の皆さん 講談社 2005年)でブラックサンダーが紹介されたのです。

さらに、北京オリンピック銀メダリストの内村航平選手や、安倍晋三総理が大好物と公言したことも追い風となりました。現在は季節限定商品や地域限定商品、他企業や商品とのコラボ商品も次々登場し、ユニークなキャッチコピーも毎回注目されています。

順風満帆ではなかったブラックサンダーの歴史とは?急成長のきっかけ

現在では多くのコンビニでも見かけ、全国的な知名度を誇るブラックサンダーですが、実は最初からこのような状況であったわけではありません。1994年の発売当初の滑り出しは思わしくなく、製造中止を検討されるほどでした。

当初は九州地区の駄菓子屋や小売店で販売されていましたが売上はなかなか伸びず、販売先を拡げようとしても功績がないため、コンビニなどの量販店等で取り扱ってもらえないという苦境に陥りました。そのような状況で、新たな販売先として目を向けた場所が大学生協です。おいしさもさることながら、学生でも買いやすい30円という低価格や1つで満足できるボリュームで、学生から絶大な支持を得ました。

こうして一定の功績を得たブラックサンダーは、低価格ながらボリュームがあるという強みで、コンビニでの取り扱いを目指します。その結果、売上が芳しくなければ取引中止という厳しい条件ながら、トライアルとして九州地区でのコンビニ販売を開始。結果として好調な売上を維持できたことで取引は継続となり、さらに全国へ広がっていったのです。

約10年という長い年月を経て、最終的には全国的なヒット商品に成長を遂げました。

大量生産できるようになった理由は?生産システムの構築によってもたらす効果

ブラックサンダーが全国的にヒットした当初、生産が追いつかず供給がストップする状況になりました。それに伴い、有楽製菓では「豊橋夢工場」を建設。コンサルティングを手掛けた株式会社アイカが公開している情報によると、次のような工夫がなされているようです。

豊橋夢工場では原材料の発注・入荷、出庫、仕込みなどでQRコードを用いた生産管理システムを導入し、作業ミスの防止に加えて作業効率の向上を目指しました。従来は原材料の発注や入出庫作業は手作業でしたが、QRコードを読み取る管理システムに変更したことで、自動的に作業状況が管理できるようになったそうです。製品の検査はカメラやX線で自動的に行い、製品の出荷のデータもすべて自動的に記録されます。

管理システムを導入して生産や出荷を自動化したことで、作業ミスは減少、作業時間は大幅に短くなりました。それまでは丸1日かかっていた棚卸しが、システム導入後には2時間で済むようになったといいます。
いつどこで何をしたかが全てデータ化されるので、履歴を確認でき、作業工程の改善にも効果的。在庫管理も徹底されているので正確な発注に結びつき、効率をアップする成果を発揮しました。

まとめ

発売当初は販売中止の危機もあったブラックサンダーですが、販売ターゲットに合わせた販路を開拓することで売り上げを伸ばしました。一時は人気のあまり生産がストップしてしまうという状況にも陥りましたが、現在は生産管理システムを導入することによって生産効率の向上を実現し、問題を解決しています。システムを整えることで従業員の負担を減らし、生産効率を向上させることの重要さを示す事例といえるでしょう。

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