【梱包道場】パソコンを守れ!―PC梱包箱のすごい機能

【梱包道場】は、トヨコン社員・木村ラマヌジャンが、設計や素材など、梱包の基本的な知識について学んでいくシリーズです。

~ある日のトヨコン・豊川営業所~

ラマヌジャン「ガサ……ゴソ……う~ん……」

K先輩「……」

ラマヌジャン「ガサ……ゴソ……やっぱりこっちがいいかなぁ……」

K先輩「……」

ラマヌジャン「ガサ……ゴソ……よし、できた! これで完ぺき!」

K先輩「何してるんだ?」

ラマヌジャン「わっ! 先輩いつから後ろにいたんですか!?」

K先輩「ずっといたぞ? 何してたんだ? そんなに梱包材いろいろ出して」

ラマヌジャン「お客さんに頼まれて、パソコンを送るときにベストな梱包方法を考えてたんです」

K先輩「おいおい、気泡緩衝材もバラ緩衝材も使いまくってるじゃないか」

ラマヌジャン「そうです! これなら輸送中にパソコンが壊れることはありませんよ! うーん、この梱包方法は大発見かも。 ぼくはすごい梱包方法を発明したかもしれませんよ先輩!」

K先輩「あのなぁラマヌジャン、もうパソコン専用の梱包箱はあるんだけど……」

ラマヌジャン「ええっ!? ぼくの発明は意味がなかったんですか!?」

K先輩「よし、ついでだ、今日はパソコン梱包箱について教えるからちゃんと覚えるんだぞ」

パソコン梱包箱の秘密

デスクトップ型パソコンは本体も大きく、キーボードやマウス、コード類など、多くの付属機器があります。パソコン梱包箱はこれらを安全かつ機能的に収めるための箱です。

パソコン梱包箱の中には、大切なパソコンを守るためにさまざまな工夫がされています。

パソコン本体より一回り大きなサイズのダンボール箱に、中枠となる段ボールパーツをセットします。これによりパソコン本体は、ダンボール箱の中で宙に浮く状態。この中枠は段ボール箱メーカーにより、いろいろな形状がありますが、共通しているのは「パソコン本体を宙に浮かせる」構造になっているということです。より緩衝効果が高く、より省資源・低コストで実現できる中枠の形を目指して、メーカー各社で工夫されています。

この中枠にパソコン本体を収める際は、フィルム状のポリ袋でパソコン本体を包みます。このフィルムには、パソコン本体へのほこりの侵入を防ぐという目的もありますが、それだけではありません。フィルムによく使われているのは、ポリウレタンです。ポリウレタンは弾性・柔軟性・耐摩耗性・引っ張り強度に優れた素材で、パソコン本体を擦り傷から守ります。また、耐油性や耐薬品性にも優れているため、万が一輸送中にパソコン梱包箱が水やその他の液体によって濡れてしまった場合でも、パソコン本体を守れます。

こうしてパソコン本体を、衝撃やほこり、水濡れなどから守るように収めたうえに、トレイ状の小物入れパーツが入ります。このトレイには仕切りがついていて、キーボードやマウス、CD-ROMやコード類などを綺麗に収めることができます。このトレイは取っ手がついていて、開梱の際に取り出しやすいよう工夫されています。

このように高機能なパソコン収納箱は、一度だけでなく何度も使用することが想定されているため、底面やふたにも工夫があります。テープ止めを基本とした外フラップ突き合わせのみかん箱タイプではなく、組み立て式のアメリカンロックと呼ばれるものや、ワンタッチ底と呼ばれる方式が使われているものもあります。この方式では段ボール加工の際の工数や、使用する資材料も増えることになりますが、繰り返し使用することで省資源に貢献しています。

このようにパソコン梱包箱は、パソコンを安全に運ぶための専用箱として、多くの機能とさまざまな工夫が結集したものなのです。

 ラマヌジャン「パソコン梱包箱ってこんなに工夫されてるものなんですね」

K先輩「そう、パソコンを守るための機能がぎっしり詰め込まれているんだ」

ラマヌジャン「空箱の時点で詰め込まれてるなんて、不思議な箱ですね!」

K先輩「うまいこと言ったな。じゃあ、その不思議な箱がどんな場面で重要な働きをしているか見てみるぞ」

パソコン梱包箱が活躍する場面と重要な理由

パソコン梱包箱は、次のようなときに活用されています。

  • パソコンを修理するときの送付・返還
  • パソコンの売買
  • 引っ越し
  • オフィス移転

これらの場面で、パソコン梱包箱を使ってパソコンをしっかりと守るのは、外観の損傷を防ぐことだけが目的ではありません。

パソコン輸送時に最も重要となるのは、中に入っているデータの保護です。万が一に備えて事前にバックアップをとっておくことは必要ですが、何事もなくそのまま使用できるに越したことはありません。運送時のさまざまな衝撃から、パソコン本体とその中にあるデータを守ることを最重要として、パソコン梱包箱は設計されているのです。

 K先輩「パソコンは保温効果がある緩衝材で過度にくるんでしまうと、内部で結露が起こり壊れてしまうなんていう危険もある。中にあるデータの保護まで考えて、パソコン梱包箱は作られているんだ」

ラマヌジャン「なるほど、パソコンを運送するときは外側だけじゃなくて中のことも考えないとダメなんですね」

K先輩「そう、ただ以前は発泡スチロールや気泡緩衝材もよく使われていた」

ラマヌジャン「なんで今は使っていないんですか? やっぱり結露とかの影響を考えてですか?」

K先輩「それにはちょっと別の理由があるんだよ」

パソコン梱包のときの緩衝材

以前はパソコンの梱包資材としても、成形された発泡スチロール緩衝材や、バラ緩衝材などが使われていました。

しかし、世界的に環境負荷に対する意識が高まるなかで、ヨーロッパでは資源のリサイクルについて特に厳しい基準が定められています。こうした状況では、パソコンが日本国内だけでなく、国をまたいで送られることも想定しなければなりません。

そこで注目を集めたのが、段ボールのみで構成された緩衝材の開発です。段ボールに発泡スチロールを接着する方式のものは、使用する接着剤が問題になるケースもありましたが、全てが段ボールでできているなら100%リサイクルが可能です。

また、段ボールのみを使った浮遊構造により梱包サイズも小さくすることができ、同時に運送時の貨物サイズ圧縮や保管時の省スペースにもつながりました。

 ラマヌジャン「パソコン梱包箱って本当にすごいものですね」

K先輩「緩衝効果が高いだけじゃなく、環境面でもメリットが大きいことで注目されているんだ」

ラマヌジャン「よーし、じゃあ次はもっとすごいパソコン梱包箱の発明を目指してみます! では早速!」

K先輩「待てー! まずはさっき使った緩衝材を片付けろ~!」

 参考:

著者プロフィール

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木村ラマヌジャン
トヨコン従業員。豊川営業所に所属。
日本人の父とインド人の母を持つハーフ。
現在、物流・梱包に関するNo1営業マンを目指して勉強中。
31歳独身。趣味はフットサルと音楽鑑賞。

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