【梱包道場】クッション形状の決め方

【梱包道場】は、トヨコン社員・木村ラマヌジャンが、設計や素材など、梱包の基本的な知識について学んでいくシリーズです。

~ある日のトヨコン・豊川営業所~

ラマヌジャン「K先輩! まったくどうしたらいいかわかりません!」

K先輩「な、なんだ、突然!?」

ラマヌジャン「お客さまから、商品梱包のためのクッション材についてご相談いただいたんですが、どんな形にしていいのか、それはもうさっぱりわからないんですよ!」

K先輩「なんでそんな誇らしげなんだよ……。よし、じゃあ今日はクッション形状の種類と、どんな基準で決めたらいいのかを一緒に考えてみるか!」

コーナーパッド方式

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中重量物(15~40kg)に向いているクッション方式です。精密機器の輸送や長距離輸送の場合などは、内装箱と外装箱の間に、このコーナーパッドを入れて保護する方法があります。四角い製品には使いやすいコーナーパッド方式ですが、複雑な形状のものには使いにくいという面もあります。

稜パッド方式

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中量物から重量物(15~100kg)に向いています。この稜パッド方式ではクッション自体の強度も強く、揺れに対する固定材としての役割も持たせることができます。

ラマヌジャン「なるほど、わかりました。この2つですね!」

K先輩「まだたくさんあるぞ? さあ続きだ」

サイドパッド方式

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中軽量物(5~15kg)に向いている方法です。製品を一度持ち上げた状態でクッションに差し込む必要があるため、あまり重いものには用いられません。横長の製品や、側面に強度のある製品に使われます。

上下パッド方式

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中重量物(15~100kg)に使われるクッション方式です。サイドパッド方式では両側面にクッションを取り付けるのに対し、この方式では上下にクッションを取り付けます。製品が重く、四角い形状の製品によく使われています。

ラマヌジャン「コーナーパッド、稜パッド、サイドパッド、上下パッド……。これで4つですね!」

K先輩「ああ、そしてこれで半分だ」

ラマヌジャン「まだ半分ですか!? もう角も左右も上下も全部やったのにまだ別の方法があるんですか?」

K先輩「ここからはこれまでの方式を組み合わせたものや、もっと複雑なクッション方式を教えよう」

サイドパッド+下パッド複合方式

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中重量物(15~50kg)に向いています。サイドパッドに加え製品の下側にもクッションを入れる方式で、製品がある程度重く背丈が高い場合に用いられます。

ラップラウンド方式

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中重量物(10~30kg)に使われます。複雑な形状をした製品や、固定クッションが一体にできない場合などに用いられる方法です。クッション材を段ボールに差し込み、一体型にすることでクッション材を安定させます。

ラマヌジャン「残り2つ……!」

K先輩「よし、気を抜かないで最後までいくぞ」

ワンパック方式

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中軽量物(5~15kg)に向いています。校正・点検などで送り返す必要がある製品は、このワンパック方式により箱と一体化させた状態で開封後もバラバラにならないクッション方式を取る場合もあります。

その他(型抜き、ビーズクッション)

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製品が複数のものからキットになっている場合は、製品形状に合わせて型抜きしたクッション材がよく使われます。ひと目で入れる場所がわかるため、梱包時の入れ忘れ防止にもつながります。

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運搬距離が少なく、共通で繰り返し使用したい場合に使われるのがビーズクッションです。マイクロビーズを使用した布製クッション材で、近距離の引っ越しや家具の配達などの際に使われます。マイクロビーズは保温・保冷性に優れているため、鮮度を保ちたい商品に使われることも多いです。

K先輩「おいラマヌジャン、なんでビーズクッションをかぶってるんだ……」

ラマヌジャン「寒かったのでつい……」

K先輩「じゃあ、もうそのまま次に行こうか……。最後にクッション材がどういう方法で設計されているのか紹介するぞ」

クッション材の設計方法

クッション材の設計は、3D-CADを使った3次元設計が主流となっています。「外力の大きさ」「包装による保護性」「製品の強さ」の3条件を計算し、設計を進めていきます。これには、輸送環境の調査や衝撃に対する強さの試験、クッション材に用いる材料評価も必要となります。

設計の際には、1mm単位にこだわり、包装資材の機能を追求した上で最適な仕様を考えます。資材コストや資源の有効活用、あらゆる素材の組み合わせによる可能性を考え、ニーズに適したクッション材を設計することが重要です。

ラマヌジャン「クッション材の設計は本当に緻密で大変な作業ですね」

K先輩「そう、だからこそお客さまの大切な製品を守ることができているとも言えるんだ」

ラマヌジャン「でも、一度聞いただけでは覚えられません……」

K先輩「そんなおまえにおすすめの解説がある」

はじめよう梱包設計|トヨコン あした共創ブログ

K先輩「ほらこれだ。すごくいいこと書いてあるだろう?」

ラマヌジャン「ふむふむ、わかりやすいですね!……ってこれ、K先輩が書いた解説じゃないですか!」

K先輩「ははは。この解説もじっくり読んで、お客さまに最適な設計を提案するんだぞ」

ラマヌジャン「はい! ところで先輩、そろそろこのビーズクッション、脱いでもいいですか?」

K先輩「誰もかぶれなんて頼んでないだろ!」

参考:

著者プロフィール

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木村ラマヌジャン
トヨコン従業員。豊川営業所に所属。
日本人の父とインド人の母を持つハーフ。
現在、物流・梱包に関するNo1営業マンを目指して勉強中。
31歳独身。趣味はフットサルと音楽鑑賞。

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