クレーム低減にもつながる、梱包資材の的確な管理

ダンボールやフィルム、緩衝材など梱包用の資材管理は倉庫業務の負担のひとつ。必要な資材を定期的に補充するところまでで、なかなか管理方法の最適化まで手が回らないということも多いのではないでしょうか。

過不足なく最適な資材をそろえ、また梱包の不備による破損トラブルや廃棄の負担を軽減する方法について見ていきます。

物流の現場を止めない、専用システムで資材管理

日々動く物流の現場で、たとえ一部であっても梱包資材が足りないという事態が発生すると、物流がそこで止まってしまいます。過不足なく資材を補充、管理するには物品管理システムが欠かせません。

意外と陥りがちなのが、「Excelでなんでもやってしまう病」。

表計算ソフトは、日付の挿入や購入する梱包資材の種類やロットの集計といったことがある程度できてしまうだけに、「専用システムにコストをかけなくても」といった負のインセンティブが働きやすくなります。

ですが、表計算のあるワークシートに記録されているのは、ある日時の在庫状態を示すスナップショットでしかないことが多くあります。突然の需要増に備えて季節や他の要因による使用量の変化を分析する、といったことについて表計算ソフトは得手ではありません。

破損トラブルの原因にもなる梱包材

フリマアプリなどを利用した個人間取引の現場で、流行のマスキングテープを使った梱包が破損して問題になる、ということがあります。企業が販売、発送する現場でマスキングテープや養生テープといった不適切な資材を使って梱包するということはありませんが、的確な梱包の仕方や資材選びには予想以上に技術が必要です。

日本ロジスティクスシステム協会の「物流現場改善推進のための手引」によると、「荷物に傷がつく」という問題は、梱包時に緩衝材の使い方が不適切で空隙が生じていることが根本的な原因です。

とはいえ、梱包材でむやみにぐるぐる巻きにするような梱包は資材ロスや廃棄物の増加につながります。自社で最適の梱包技術を開発できない場合は、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)企業が提供する包装コンサルティングを利用することもひとつの方法です。

専門資格をもつ包装管理士と共に、隠れていた梱包の課題解決のヒントを洗い出してみましょう。

IoTでリターナブル梱包資材を実現

物流現場では、包装や梱包材の廃棄が多いという問題が多く指摘されています。梱包資材の管理において、在庫や使用方法だけでなく廃棄物を削減する「エコ包装」が求められているといえるでしょう。

エコ包装は環境に配慮しているというだけではありません。たとえば、リユースができるということは、梱包の形状や手順が標準化され、繰り返し同じ手順で梱包できるという作業の効率化も含まれています。

こうした社会的な課題解決のため、住宅メーカーと印刷会社が共同でIoTを活用しエコ梱包資材を開発した例があります。

住宅資材のダンボール梱包材は、これまで新築の住宅工事現場で平均3.5平方メートルも発生していたといいます。廃棄物処理などの問題から、リターナブル梱包資材の導入を決めた旭化成ホームズは、凸版印刷の協力を得て再使用が可能な梱包資材を開発。リユースの回数や在庫数を管理するためのRFIDタグを取り付けて管理しました。

結果として、リターナブル資材を導入した後には、ダンボール梱包材の約6割を削減できたのです。導入コストはかかりますが、廃棄物の削減に加え周辺に対する美観の配慮や付近住民に与える印象の向上などの効果を上げているということです。

 

商品の梱包を見直すことで、包装コストだけでなく、目に見えないクレーム対応費用、廃棄費用、周囲との関係などの改善にもつながります。きちんとした効果を上げるには、専用システム導入や専門資格を持つコンサルタントへの相談などコストをかけることも必要です。

 

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