梱包材入門【自動車部品編】

いろいろな梱包用品が活躍する業界のひとつに、製造業があります。今回は自動車部品、特に完成車メーカーへの納入を前提とした自動車部品の梱包用品を、量産部品と試作部品の場合の違い、さらにその他の特徴にも焦点を当ててご紹介します。

量産部品納入の梱包

量産部品納入における特に重要なポイントとして、発注元の梱包仕様の要求に応えるということが挙げられます。多くの完成車メーカーが納入部品の梱包に求めることのひとつは、品質に関する表示です。

複数の部品製造メーカーから、大量の部品を受け入れ検収する完成車メーカーでは、「速く」「正確に」処理をするため、さまざまな納品ルールを定めています。そのなかでも、内容物とその品質に関する表示を守らなければ、たとえ内容物の品質が良くても受け取ってもらうことすらできません。

部品番号の表示や、員数の表示、伝票の貼付方法の表示、色や仕様の表示、検査書の貼付など、各社で決まりがありますが、そのような要求に漏れなく応えるためには、梱包用品にチェック機能を付加するのが便利です。

コンテナに伝票入れを付けたり、納入数の不足がひと目でわかるように納入単位ごとの仕切りを付けたり、内容物の色が見えるように外箱に窓を付けたりといった工夫により、納品ルールの漏れを防ぐことができます。

このような効率的な納入のための機能と同時に、忘れてはならない梱包用品の基本的な機能は、内容物の保護です。ただし、保護性を高めるためとして、やみくもに緩衝材を使用しては開梱の簡便性を失ううえに費用もかさみます。ぜひとも梱包設計に時間を割いて最適仕様を見極めたいものです。

効率性と保護の両立は、納入側にとって、自動車部品の梱包用品に求めるQCD(品質・コスト・デリバリー)の要件となります。例えば、製品形状に合わせた緩衝材や固定具、通い箱の設計は、物流品質の向上と、梱包のスピードアップ、詰め効率を高めて輸送コストの削減に寄与します。

ほかに現場で役立つアイデアとしては、通い箱に自社名を印刷すること。ありふれた梱包用品に思えますが、社名の表示や、通い箱の回収場所が大きくはっきりしているだけでリターンが確実になり、行方不明の通い箱を減らすことができるでしょう。

試作部品納入の梱包

以上に挙げたとおり、量産部品の梱包は大量のモノをより速く正確に納入するという前提から考えられていますが、試作部品の場合には、求められる要件が異なってきます。

まず挙げられるのは、美麗さです。試作部品を納入するということは、量産受注のチャンスといえます。そのため、梱包用品にも機能一辺倒ではなく美麗さが求められるのです。

これに加えて、汎用性のある梱包用品を選択することも求められます。少量多品種になりやすい試作品に合わせて、毎回梱包設計をするわけにはいきません。そのため、ある程度汎用性を持った梱包資材を在庫しておくことが出荷のタイミングに即応するために必要になるのです。

自動車部品梱包の特徴

量産品、試作品といった特徴以外にも、自動車部品の梱包用品には押さえておくべきポイントがあります。

  • 耐油・耐薬品の梱包用品

納品時に塗布した防錆油が、納入後ほかの在庫品に付着して汚してしまうというようなトラブルが起こることがあります。納入した側の責任とは言い難いかもしれませんが、後々のクレームを防ぐためにも対策はしておきたいものです。

  • 重量物、長尺物、大型部品の梱包用品

トラックから降ろしてからどのように検収され、どのように荷扱いがされるのか。輸送会社と納入先、自社の梱包担当と三者で相談してから梱包仕様を決定するのがおすすめです。

  • 極小部品の梱包用品

ネジやワッシャーなどの極小・大量の部品は、個数ではなく重量で受け入れ数を計ることがあります。検収方法を前もって確認してから、個包装なのか、10個単位なのか、コンテナに全数入れるのか、といったような梱包仕様を決定すると無駄がありません。

  • トレーサビリティ

多くの自動車部品では、品質管理や製造責任の明確化のためにトレーサビリティが求められます。製造ロットの管理や梱包日時など、求められるトレーサビリティを簡便にかつ正確に管理できるよう、QRコードやRFIDなど適切なツールを使った梱包を計画することが重要といえるでしょう。


自動車部品の梱包用品について、量産部品・試作部品の納入、さらにその他の注目しておきたいポイントから紹介しました。自動車部品という特徴に最適な梱包用品を使い、品質・コスト・デリバリーの改善に役立てていきましょう。

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