梱包材入門【発泡スチロール編】

魚屋さんのトロ箱に、カップ麺の容器、住宅用の断熱材など、日常生活でもおなじみで、どれも同じように見える「発泡スチロール」の種類ごとの成形方法や用途、特徴をご紹介します。梱包材に使われている発泡スチロールとは?

発泡スチロールとは?

食品トレーや魚屋さんのトロ箱など、日常生活でも身近な発泡スチロールですが、まずは素材としての側面から詳しく見ていきましょう。

発泡スチロールは発泡ポリスチレン(PS)の通称・別称です。発泡スチロールはドイツで発明されました。素材となるポリスチレンはドイツ語で「styrol」といい、スチロール樹脂とも呼ばれています。そこから発泡スチロールという呼称が広まりました。

樹脂を発泡させた素材全体を指して発泡プラスティックと呼びますが、その一つ、樹脂がポリスチレンであるものを発泡ポリスチレン、発泡PS、発泡スチロールと呼んでいます(以下、発泡ポリスチレン)。

発泡ポリスチレンの特徴

次に発泡ポリスチレンの長所と短所についてみていきましょう。

発泡ポリスチレンの長所には、軽さ、断熱性、耐衝撃性、加工性、耐水性などがあげられます。ポリスチレンを発泡させて作るため、そのほとんどが空気である発泡ポリスチレンは非常に軽く、水に浮きます。空気層によって断熱性があり、衝撃吸収性にも優れているのです。

熱による切断や接着がしやすい加工性は耐熱性温度の低さによるもので、90℃程度で溶けてしまいます。また、非常に燃えやすい素材です。耐油性、耐薬品性も低く軟化して溶けてしまいます。一方、熱接着、有機溶剤での接着はともに適しています。

発泡ポリスチレンの種類

発泡ポリスチレンはポリスチレンと発泡剤を用いて、発泡成形によって製造されます。その製造方法によっていくつかに分類されますがここでは代表的な3つの発泡ポリスチレンであるビーズ法発泡スチロール(EPS)、ポリスチレンペーパー(PSP)、押出ポリスチレン(XPS)についてみていきましょう。

  • ビーズ法発泡スチロール(EPS)

鮮魚が入っている発泡ポリスチレンの箱がビーズ法発泡スチロール(EPS)の代表的な製品です。EPSは発泡ポリスチレンのなかでも最もポピュラーで汎用性が高いものです。EPSをよく見てみると小さな粒が集まっているのがわかります。直径約1mmのポリスチレンのビーズに炭化水素ガスを吸収させ加熱することで発泡させた粒が見えているのです。断熱梱包材、精密機器用緩衝材としても非常に多く使用されています。

  • ポリスチレンペーパー(PSP)

EPSに続いておなじみなのがポリスチレンペーパー(PSP)です。最もなじみ深いのはカップ麺の容器や食品トレーでしょう。PSPは、EPSとは異なり加熱発泡ではありません。加熱して溶融したポリスチレンにガスと発泡剤を加えて液状にし、その液をシート状に引き伸ばすという方法で作られます。耐熱性の低さを補うため、カップ麺の容器に使われる場合にはポリ塩化ビニルやポリプロピレンなどのシートで表面を覆い、耐熱性を高めています。

  • 押出ポリスチレン(XPS)

もう一つの発泡ポリスチレンが押出ポリスチレン(XPS)です。XPSは、建築資材用、住宅の断熱材としては幅広く使用されています。建築資材として使用するには、難燃性の低さを補うため難燃剤を混合して作られます。XPSは、原料と難燃剤を高温・高圧で混合し、圧力と温度の調整によって発泡・硬化させ、その名の通り板状に押し出して成形しているのです。

アメリカ、カナダではダウ・ケミカル社のXPSの商標、「スタイロフォーム」が普通名詞化していて、XPS全般、もしくは発泡ポリスチレン全般を指して「スタイロ」「スタイロフォーム」と呼ぶことがあります。


日常生活でもおなじみの発泡ポリスチレンについて、種類と特徴をご紹介しました。梱包材として広く使われているビーズ法発泡スチロールの梱包材や緩衝材の形状や使い方など、今お使いの物流資材の最適化や、新規検討のご相談は物流プロ、当社までぜひどうぞ!

関連記事