梱包材入門【パレット編】

今や物流の現場に欠かせない、平たいパレットをフォークリフトで運ぶ作業。パレットにはサイズや形状、強度の規格があることをご存知でしょうか。規格化されたパレットをサプライチェーンの中に導入することで、物流のリードタイムやコストを削減することができます。

パレット輸送は人力の8分の1のコスト

パレットとは、荷物の保管や倉庫内での作業、輸送のために使用するスノコ上の平たい箱形の荷台のことです。パレットの上に段ボール箱などの荷物を置き、フォークリフトのツメを「差込口」(荷台のすき間)に差し込むと、一度に約1トンの貨物を上げ下ろしすることができます。

たとえば、500個の段ボール箱を運ぶ作業の場合、パレットとフォークリフトを使えば作業時間は人力の8分の1以下になります。物流の時間コスト短縮には欠かせません。

パレットの形状は、最も一般的な平型以外にも、高さのある箱型、四隅に柱(ポスト)があるポスト型などがあります。日本では1970年にJIS(日本標準規格)によって規格サイズが決められました。1100×1100×144mmの「T11」サイズで、「イチイチパレット」とも呼ばれています。

木製が主流、パレットの素材

日本を含め、世界で最もよく使われているパレットの素材は木製です。価格が安く、金属製のものよりは軽量で、滑りにくいという利点も持っています。10年前の資料では木製パレットがパレット全体の8割を占めていました。

ですが、規格に沿った強度を満たすパレット用木材は「あかまつ」、「くろまつ」、「つがぶな」などの樹種に限られていて、材料不足により価格が安定しないという課題も持っています。

木製に続いてよく使われているのが、プラスチック製です。自由に着色することができ、耐久性と軽量性にも優れています。木製パレットはカビが発生することがありますが、プラスチック製ならば洗浄して衛生的に使うことができます。リサイクル・リターナブルが可能で省資源でもあります。

その他、耐久性・防腐性を高めた合板製や使い捨て可能なダンボール(紙)製、銅やアルミなどの金属製、専用のフォークリフトを使用するシート式などの素材があります。それぞれ耐久性や強度、省スペース性などの利点がありますが、比較的高価であることが悩みどころです。

国際的に進む規格化

パレットにはT11型以外にも多様なサイズのパレットがあり、規格化されたものだけで7種類あります。規格化パレットは強度の基準を満たしているため、安全性にも優れているということが利点です。それだけでなく、共通の規格化パレットを使用することで、物流の中でパレットを輸送の単位としてリードタイムやコストを削減することができます。

メーカーなど製造元から、流通や小売など納品先まで、企業と企業をつなぐサプライチェーン上で、同一のパレットに荷物を積載したまま輸送を行うこと「一貫パレチゼーション」といいます。

一貫パレチゼーションは国を越えた効率的な輸送をも可能にします。アジアの中でも韓国や台湾はT11型と共通サイズのパレットを使用しており、パレット単位でのスムーズな輸送が可能です。中国では物流の近代化によってパレットを使った流通が進みつつあります。

国際的にパレットを移動する場合には、木製パレットは植物であるため検疫が必要になります。日本へパレットを輸入するにあたっては、国際指針にもとづいた検疫措置を受けなくてはなりません。輸出の場合は、相手国の法律に従って検疫措置を満たす必要があります。具体的には、燻蒸処理による消毒を行い、燻煙したことを証明する書類を添付する必要があるのです。この点で、プラスチック製の規格化パレット使用が検討されることもあります。

 

もとは工場や倉庫内での移動用に使われていたパレットですが、木製、プラスチック製、紙製、金属製など規格化パレットを物流の工程に導入することで輸送を効率化することができるようになりました。耐久性や防腐性、重量、価格などのメリット・デメリットを図りつつパレットを選択する必要があります。

 

参考:

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