梱包材入門【木箱編】

段ボールと並んで物流の現場で使われている梱包材が木製の箱です。収める製品の性質や重量、国内輸送か輸出入か、といった用途の違いによって形状と構造にいくつかの種類があります。JIS規格でサイズがある程度決まっていますが、カスタム製品向けにオーダーメイドの木箱も利用されています。

木箱の企画とサイズ

木製の箱型梱包材には、JISによって決められたサイズ規格があります。外のり寸法(板の外側の寸法)が長さ6.0m、幅1.6m、高さ1.5m以下で、3辺の合計が7.0m以下。内容量の質量は1.5t以下となっています。

木箱の構造には、「普通木箱」と、床材が取り付けられていて底面が直接床に触れない「腰下付木箱」の2種類があります。さらに、外板の形状として「密閉木箱」「密閉合板木箱」「すかし箱」の3種類があります。

木箱に用いられる種類は、アカマツやカラマツ、スギ、ツガ、ヒノキなど針葉樹が用いられます。乾燥のしやすさ、湿気に対する強さ、硬さや割れやすさなどそれぞれ特徴が異なります。木箱を輸出入に使用する場合は、IPPC(国際直物防疫条約)の元で熱による消毒処理が必要です。適切な熱処理を行った梱包用木材には、見えるところにスタンプの押印が義務付けられています。

密閉木箱・密閉合板木箱

密閉木箱とは、製品を木材や合板で中身が見えないように覆って梱包するタイプです。主に輸出用に使われ、防水、防湿を必要とする製品に用いられ、雨やほこりなどから製品を保護します。機械部品や機械設備など対象物の重量が重い物の場合に用いられることが多く、さびに弱い機械や楽器などの製品を、海外へ安全に運ぶのに適した形状なのです。板と板の隙間がないように密閉するため内部の製品は見えないことから、輸送中に製品を見られたくない場合にもメリットがあります。

密閉木箱は、腰下と呼ばれる床材のあるなしによって対応する重量が異なります。腰下は、床面に触れる部分に2本以上の滑材を敷いて組み立てたもので、箱と床との間にすき間ができて扱いやすくなります。一方で床面に触れる面積が小さくなるため、内容量は1,400kgまでとなります。

密閉合板木箱とは、構造は密閉木箱と同じですが材料に合板を用いています。合板を使うことで熱処理検疫が不要となり、輸送のリードタイムを削減できるというメリットがあります。密閉木箱と同様に、機械や楽器などの製品の輸出入に使われます。

木枠(すかし木箱)

木枠と木枠の間にすき間を開けて組み立てるタイプの梱包です。密閉木箱に比べて材料となる木材や合板の使用量が少ないため、コスト(材料費)が安価な点が最大のメリットでしょう。主に国内輸送に多く用いられ、さまざまな製品を取り混ぜて輸送するといった場合に使われます。すき間から中身が見えるため、箱ごと積み上げた状態で保管しても中身を確かめやすいということも利点です。

用途としては、工作機械、産業機械、機械設備などの梱包に使われます。ただし、すき間から水や雨、ほこりなどが入るため、さびやほこりに弱い製品の梱包には使用できません。また、木箱の構造材料が少ないため、強度は密閉木箱よりも下がります。そのため、密閉木箱が必要なものよりも軽量の製品に主に用いられています。

 

段ボールでは対応できない重量の製品の梱包に活躍するのが木箱です。製品を外の環境から守り、スピーディーに運んで間違いなく届けるのが目的である点は、木箱も同じ。腰下と呼ばれる底面を設けることで持ちやすく扱いやすくなりますが、強度には変化が出るという違いがあるため、留意しておきたいところです。

 

参考: